特集 耳鼻咽喉科MEの進歩
II.鼻科
鼻腔通気度測定
戸川 清
1
,
今野 昭義
1
Kiyoshi Togawa
1
1秋田大学医学部耳鼻咽喉科
pp.755-762
発行日 1981年10月20日
Published Date 1981/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209320
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I.はじめに
耳鼻咽喉科の日常診療で鼻呼吸障害を訴える患者は多いにも拘らず,最近まで鼻腔通気度の客観的表示方法が確立・普及されなかった。それは通気度測定にやや複雑・高価な機器やそのための知識を必要としたこと,研究老により測定方法や使用機器が異なり,得られた成績すなわち,通気度表現方法がさまざまで標準化がなされなかったことなどによる。
最近のME機器の性能向上と普及により,鼻腔通気度測定法の標準化の機運が高まり,世界規模で検討がなされて来た。現在では自然鼻呼吸状態で鼻腔に出入する気流速度と,その際に生じる外鼻孔・中咽頭圧差との同時測定と記録が標準的方法とされているが,測定値の表現方法,評価などに検討すべき点が残されている。以下に鼻腔通気度測定法に関するわが国の現況を紹介し,測定法普及への一助になることを期待する。
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