特集 耳鼻咽喉科MEの進歩
I.耳科
重心計
時田 喬
1
Takashi Tokita
1
1岐阜大学医学部耳鼻咽喉科
pp.747-753
発行日 1981年10月20日
Published Date 1981/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209319
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I.はじめに
重心計は直立起立姿勢に現われる体重心(正確には床反力点)の揺ぎを記録する装置である。
直立姿勢に現われる身体動揺の検査はロムベルグ(1853)以来長い歴史を持ち,その間,重心動揺のみならず頭部動揺,躯幹動揺の記録が数多く行おれてきたが,MEの進歩により重心動揺を容易に,かつ精密に記録する装置が開発されるに至ったのである。
重心計を用いた直立動揺の記録は,被験者に全く装置をつけることなく,検出台上に起立せしめるだけで行いうるので,他の動揺記録に較べて甚だ有用である。このため,重心計は,めまい,平衡障害例の検査のみならず,直立姿勢制御機構の研究,肢体障害者の起立機能の検査,スポーツマンの直立機能の観察,職業適性の検査,疲労の測定などに広く利用されるに至っている。
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