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慢性中耳炎は真珠腫を形成しないものにおいては,保存的療法によつても炎症の消失のみではなく,鼓膜穿孔も閉鎖されることがある。しかしながら保存的療法によつてこのような好結果を得られるか否かは長期間に亘る治療操作後に判明することであり,しかもその期間は相当に長く,医師の苦心と共に患者の忍耐も要求される。更に我々はかかる症例を得ても治癒後に聴力が回復しているとは限らない。即ち慢性中耳炎は保存的治療によつては完治するものは少く,たとえ完治するとしてもそのことを予断することが出来ない上に,長期間の治療を経なければならない。また完治したものにおいても,治療前より聴力が回復しているとは限らない。
かかる点からして慢性中耳炎の手術的治療がその重要な意義を持つことになる。即ち慢性中耳炎の手術的治療として,炎症の消失のみでなく,併せて聴力の回復を計るのを目的とした鼓室成形術が発展し,既に10年を経過した。
Goto found 41 cases of tympanosclerosis in 1,294 cases among whom operative treatment of chronic otitis media was performed.
These cases are cons dered from the standpoint of their particular etiology, pathology and treatment. The author further, discusses the apparent cause in which the cases that occur in the Continental Europe and in this country showing a difference
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