- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
鼓室成形術は聴器外科に於いて内耳開窓術,鐙骨可動術と共に新しい手術分野である。従つてこの手術のためには特別の教育,経験及び熟練のみでなく,特別の時間的及び個人的出費と高価な機械を必要とする。そのために本手術を正しく行うことは大きな臨床のみに限られることになる。
以上の理由からして,この様な特殊手術は一般耳鼻科医は行わないのみでなく,後療法は如何にすべきかについても確信を持ち難い。即ち従来の中耳根治手術或は保存的根治手術の例にならつて後療法を行わんとする傾向がある。然るにかかる考え方の下に後療法を行う時は,手術によつて獲得した聴力を再び損失せしめる恐れがある。ここに於て最近に至つて本手術が大きな臨床に於て広く行われる傾向にあるので,本手術の後療法は如何にすべきかについて記載することは,手術法の一般化と共に極めて重要であると考え,ここに私共の教室で行つている後療法について記述するのである。
Goto calls attention to high points of impor-tance in the after-treatment of tympanoplasty when such a procedure is instituted for impro-vement of hearing. The surgeon should fami-liarize himself with the type of operation that-may be the most suitable for the condition to be found as well as having in mind the type of after treatment. The author gives an out-line of his own method of after-treatment with discussions on that encountering difficult cases.
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.