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I.はじめに
典型的メニエール病にたいする各種の手術的療法,とくにRosen鼓索神経切断術については,第1報に言及した1)。迷路機能が高度に障害され聴力も聾に近い症例にたいしては眩暈の原発部位である内耳を破壊する方法が簡単で,しかも効果が確実である。この点に関しては今日世界の諸学者の意見も一致しており,その手術手技については経外耳道的膜迷路破壊術が一般に推奨されているようである。前庭窓からの手術で,完全な迷路破壊が望みうるかいなかについては今後に問題が残されており,細かく入り組んだ迷路内に生じた病変の種類によつては,これは必ずしも期待することはできないと考える。最近われわれは原因を異にする2症例に本手術をおこない,ほぼ満足すべき効果をあげたので,ここに報告したい。その代償過程を各種前庭機能検査,とくに著者の一人鈴木の考案したOpto kinetic Pattern test(OKPテスト)2)3)によつて追及した結果を中心に述べてみたい。
Clinical courses after destructive labyrint-hotomy conducted on 2 cases which complained of persistent attacks of severe vertigo were reported.
Stepping test showed improvement concur-rently with recovery of vertigo.
Spontaneous nystagmus remained long after recovery of balance of extremities.
By ENG, the process of recovery was followed and recorded.
Optokinetic Pattern test proved valuable in quantitative assessment of compensation and contributory to anticipating recovery course.
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