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耳鳴,難聴,眩量を3主症状としたメニエール症候のうち,「メニエール病」と今日呼ばれているものは,一体どのような原因により発生し,どのような病的変化がおこつているのであろうか。この問題には今なお多くの臨床家や学者達がひとしく興味と疑惑をいだいて,観察し,研究し,年々仮説の提示と議論をくりかえしている。私達は,全く臨床像にもとづいて,メニエール病とは「メマイ発作を頻ぱんにくりかえし,同時に耳鳴,難聴などの蝸牛症状を伴い,聴力図は一定の型を示し,しかも何等中枢症状を示さないもの」と考えている。典型的メニエール病は,全く定型的な経過,症状をしめし,診断は容易である。この実際的なわれわれの定義は,臨床的にははなはだ有用であると考えている。
メニエール病のうちには,数回の発作だけで始まり,生涯再発しない軽症のものもあるが,なかには,再発に再発を重ね,そのたびに聴力も低下し,間歇期にもメマイ感がさらず,ために日常の生活活動が全く不可能となるものがある。
After reviewing surgical treatments of ve-rtigo, the authors reported on 12 cases of ty-pical Ménière's disease, which were treated successfully after Rosen's method. The aut-hors referred to the indication of this proced-ure. According to the authors opinion, the reccurrent types of the disease should be ope-rated on by this technique, prior to medical treatments, when any sign is noticed that the condition is taking a serious turn.
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