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Asthremedinの耳鼻咽喉科領域に於ける使用経験
城所 信五郞
1
,
村上 不二郎
1
1三楽病院耳鼻咽喉科
pp.223-228
発行日 1959年3月20日
Published Date 1959/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202211
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〔I〕緒言
抗生物質を以てしても,手術的操作によつても根治が容易でない慢性副鼻洞炎に対して,近年漸く,アレルギー学的見地よりの研究が旺んとなり,自家ワクチンの使用,抗アレルギー剤と抗生物質との併用等が採り上げられるに到つている。
著者等も,数年来本疾患の解明に,住居塵埃抗原(多価の吸入アレルゲン)を用いて,臨床的,病理学的に検討した結果,該抗原皮内反応陽性と,鼻疾患のアレルギー傾向との問に平行的な関係を見出し,鼻疾患に於けるアレルギーの関与に確信を得たものである。該抗原抽出液による,炎症性慢性疾患に対する減感作治療については,既に発表済みであるが,著者等はこれに並行して,滝野氏の剣製になるAsthremedinを,アレルギーが関与していると考えられる耳鼻科領域の疾患に対して繁用し,一部は昭利29年の東京地方会に於いても発表したものであるが,更に,この前後10年近くの臨床経験から,更めて治療の効果,殊に,遠隔成績についての確信を得たので,茲に報告する。
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