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耳鼻咽喉科領域における所謂神経症とみられる患者に対するノバミンの臨床使用成績について
鈴木 安恒
1
,
鈴木 昭雄
1
,
永瀬 邦彦
1
1慶応義塾大学耳鼻咽喉科学教室
pp.834-837
発行日 1958年10月20日
Published Date 1958/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202105
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Ⅰ.緒言
内分泌系と植物神経系は,生現的均衝状態の維持に必要な調節機構であり,この調節機構のおかげで,生体は外界の種々の刺激に対処して,生体の各部分をして全体の行動にかなうよう統制することが出来る。
しかるに,この調節機構の存在がかえつて疾病の発生を招くとみられる場合がある。このような疾病は最近特に重要視されるに至り,その薬物的治療の目ざましい進歩は,臨床上我々の屡々経験するところである。すなわち,下垂体副腎系を軸とするSelyeの学説に呼応してACTH,Cortisoneの出現をみた如く,こんにちChlorpromazineないし人工冬眠療法の臨床医学への登場は,Reilly現象の研究と相俟つて興味深いものがある。Chlorpromazineについての優秀な臨床成績は,既に当教室においても鈴木,山口,飯田,深沢等により報告されている。
Suzuki and associates state that the use of novamin, supplied by Shionogi Pharmaceutical Company, is effective in treatment of patients who complain of vague symptoms of dizziness and tinnitus that may be considered as cases suffering from otolaryngological neurosis.
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