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所謂咽喉頭神経症に対するChlordiazepoxideの効果
佐々木 治夫
1
,
宮島 靖彦
1
1信州大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.947-950
発行日 1963年11月20日
Published Date 1963/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203147
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はじめに
咽喉頭に視診上異常が認められなくて咽喉頭に異常感を訴えて来院するものには癌,梅毒,結核などの重篤な疾患を懸念するために症状が発現した,あるいはさらに悪化しているという心因性のものが多いが,この種の症状を訴える疾患には食道1)2),胃腸疾患,頸椎3),舌骨の異常4),低色素性貧血5),血清鉄の異常6)などによるものがあるから,適切な治療を行なうためにはすべてを検索する必要があるわけである。しかしこれらの検査を数多く施行することは時間的な理由や患者の経済的負担の関係から全部の症例に行なうことは到底不可能なことである。そこでわれわれは年令,既往歴,症状などから重篤な疾患によるものではないと考えられる症例には薬剤を投与して経過を観察し必要に応じて種々の検査をする方針の下に治療を行つて来た。今回われわれはその薬剤としてChlordiazepoxideを使用し本剤の効果を検討し一応の結論を得ることが出来たので報告する。
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