所謂「代診」の取締

　醫療關係者の學術技能の向上をはかり，これによつて醫療内容の向上を期することは，國の一貫した方針として，これがための施設は着々實施されつつある状況である。

　然しながら，聞くところによれば若干の府縣においては所謂「代診」と稱して，醫師免許を有しない者が醫師の名儀を用い，或は自己の名において半ば公然と醫業を行つているとのことであるが，かようなことは醫師法第十七條の規定に違反するのは勿論のこと，醫師國家試驗制度を施行する根本趣旨にも反しまた醫業類似行爲を原則的に禁止した法律の精神にももとるのみならず現實に公衆衞生上の危害を生ずる虞れが大であると考えられるので，貴管内にこのような事例がある場合は嚴に取り締られたい．と最近厚生省醫務局長から都道府縣知事あて通牒を發した．