Japanese
English
薬剤
胸部外科領域におけるノバミンの鎭吐作用について
On Antivomitous Function of Novamin Applied to Thoracic Surgery
長沢 直幸
1
,
山下 政行
1
,
仙田 善朗
1
,
岩瀬 敬治
1
,
井上 スミ
1
,
中島 芳郞
1
,
兪 長昌
1
NAGASAWA
1
1京都厚生園
1Kyoto Koseien Sanatorium
pp.55-58
発行日 1960年1月20日
Published Date 1960/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202532
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
肺疾患に対する外科的処置の後にはしばしば嘔吐がみられる.特に肺手術後における嘔吐は,吐物を気道内に吸引することにより窒息ないし感染を招来する危険があり,また,栄養の経口摂取を困難ならしめている.また手術侵襲に伴う複雑な水分電解質代謝が嘔吐により一層複雑なものとなり,そういったことが原因になつて術後の衰弱を強め,ひいては手術の予後をも左右することになつている.
鎮吐剤としては,これまで種々のものが市販されているが,いずれも一長一短があり,副作用がなく,しかも鎮吐作用が強く,種々の原因による嘔吐にも奏効するといつたような理想的な薬剤は得られていない現状である.特に手術直後の患者に対しては経口的薬剤投与が不可能である為に,注射による他なく,かかる薬剤の出現が切望されていたわけである.
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.