特集 副鼻腔炎の病理と治療
副鼻腔の血管分布に就いて—特に動脈分枝の新観察
橋本 泰彦
1
1日本医科大学耳鼻咽喉科教室
pp.827-839
発行日 1956年12月25日
Published Date 1956/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201682
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1.はしがき
副鼻腔に分布する血管に関しては,従来の成書記載のものは主として解剖教科書の伝承であるので,或る場合には昔と少しも変つていない個所があり,洵に遺憾な点も少くない。又解剖名称に就いても新旧全く異にするところもあるが,それが必ずしも誤りと云うものでもない。と云うのは,試みに1955年最新版のRauberやSpalteholzの解剖書を開いて見ると,既に日本でもI. N. A.(Jena nomina anatomica)に従つているのに,欧洲や米国では未だに古い名称を使用しているところが散見される。
副鼻腔の炎症に対する病理とか治療に関連して,その栄養を司る血管系としての動脈分布も重要項目の一つと考えれば,本文もそう簡単にはすまされない。
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