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迷路開窓術
pp.322
発行日 1952年7月20日
Published Date 1952/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200710
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70年位前から耳鼻科医は耳硬化症による難聽治療に対する研究を行つてきた.Kesselが1876年に始めて外半規管のFistuleが,一時的に聽力回復することを認め,その後passaw,Barauy及Feukiusにより聽力回復が注意された.1918年から20年間に,Guuner Rolmgrenが外科的に外半規管に近づくことが有効であるという考えを持ち,Souldilleが1923年から,この手術を積極的に始めた.過去10年の間,Lempertはこの手術的問題を解明するために,種々の方法を計画し,之を行い外科的手術法を進歩させた.彼の経験から,多くの後継者が出て,Meltzer,House,Shambough,Doy,Walh其他の人々が,彼等の仕事を続けている.
迷路開窓術はその適応を選べば,良い効果を期待し得る.一般には耳硬化症による聽力障碍か,会話意識で55db位で,骨導聽力の障碍がないもの,又年齢は45歳を超えない者で,以前に中耳感染のないものがよい.併しよい適応と思われない例でも手術によつて聽力回復が得られたり,適応の良い例でも,手術の効果のないものもある.これは更によい診断法が必要とされている理由であつて,obstrmctiaeかperceptiuelossかの区別がもつと正しく出来るようになれば診断は増加する.尚手術後の骨再生を防ぐ方法と,迷路炎は必ず避けるようにしなければならぬ.(Audiology:Caufield)
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