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特集 平衡機能と姿勢反射
起立姿勢維持における迷路の働き—迷路性筋緊張の検討
Studies on the labyrinthine muscle tonus
時田 喬
1
Takashi TOKITA
1
1岐阜大学医学部耳鼻咽喉科学教室
1Department of Otorhinolaryngology, Gifu University School of Medicine
pp.728-737
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903653
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I.はじめに
身体平衡維持における迷路の働きについては,Ewald(1892)の迷路性筋緊張(Labyrinthtonus)についての記述,および,Magnus(1924)の迷路反射すなわち代償性眼球偏位,立直り反射,緊張性迷路反射,回転運動反射,直線運動反射についての記述によりその基礎がつくられている。
しかし,迷路がヒトの身体平衡維持にどのように働いているかについては,まだ多くの問題がある。ヒトの迷路眼反射の平衡生理学的な働きについては,すでに,「眼振の生理と検査」としてまとめて述べたので(時田,1973),本稿においては,ヒトの平衡維持における迷路性筋緊張の働きを起立姿勢の観察を中心に述べる。
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