特集 扁桃摘出の病理と手術
扁剔と腎臟炎
白川 吾一郞
1
,
古川 精一
2
1徳島大學
2徳島大學醫局
pp.820-823
発行日 1953年11月30日
Published Date 1953/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201034
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急性腎炎の治癒の遷延し困難なるもの又は慢性腎炎の場合に扁剔を行うことは我々の專門領域では殆ど常識的となつている。勿論此の際扁桃に腎炎の原因があるということが確實に診斷さるべきは言うまでもないことである。而し扁剔を行つた成績はどうであらうか。一方には澤山な良結果の報告があるが,他方には餘り良くない報告もある。少數ではあるが惡い結果を得たものさへある。又手術の時期に關してもVolhardの如く腎炎發病後可及的早期に行へと云うものもあるし,又手術侵襲の腎臓に及ぼす惡結果を恐れ腎臓の炎症が休止状態になつた時に行うべきであると主張する者もある。斯くの如く扁剔の効果及び時期に關しては我々の了解に苦しむ點が少くない。そこで我々は不斷から此の問題に關心を持つていたが,最近10例を得たので其の所見を報告してみ度いと思う。
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