特集 扁桃摘出の病理と手術
戰後に於ける扁剔の臨床經驗
畑 秀雄
1
1聖路加國際病院
pp.789-792
発行日 1953年11月30日
Published Date 1953/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201024
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昭和20年9月當院建物が米軍により占領されて以來,その日常診療の規模は甚だしく縮小されたが,昭和20年11月1日診療再開から昭和28年7月末までに當醫局に於て行つた扁剔に就いての調査報告をしたい。我々は原則として,術前に内科乃至小兒科醫の診察を受けしめ,出血及び凝固時間の測定,検尿を行つた。また膿瘍扁剔以外は急性炎症があると思考される時期を避け,住居が遠方のもの,たとえ病院の近所の者でも特に必要と思われた者は豫め入院せしめた。
手術は早朝空腹時に行い,術前約1時間ビタミンK劑又は種々の止血劑を皮下注射した。手術の初めに當り10%コカイン液0.4〜0.5ccを咽頭粘膜(後壁並びにアデノイド附近)に塗布し,0.5〜1%ノボカイン液約10〜15ccを扁桃腺周圍に型の如く注射し,注意して剥離を行い,絞斷器をかけて剔出した。アデノイド切除にはLa-Forceの箱形切除刀及びBeckmannの輪状刀を用いた。
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