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ストレプトマイシン耐性菌にも効く新抗菌物質/精神病者と精神兼全者と鑑別する手段
pp.129
発行日 1952年3月20日
Published Date 1952/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200637
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ストレプトマイシンの使用上の最大の悩みは,ストレプトマイシン耐性菌が出来る事である.此の耐性を如何に防ぐかという事は日本結核病学会総会でも種々とり上げられて居り,耐性を出来るだけ少くする樣な使用法やストレプトマイシンとPASの併用等が最も良いと言われている.処が昨年の初め,米国のPfizerやParke Davis会社から黄いちご色乃至紫色のStreptomycesの新しい菌株(Streptomyces floridae)から分離した抗菌物質Viomycinが,ストレプトマイシンに感性の結核菌に対しても,耐性の結核菌に対してもin vitroに強い阻止力をもつている事が発表された.
動物実験ではViomycinの毒性は比較的少い事が分り,ラツトにviomycinの塩酸塩又は硫酸塩を体重kg当り50〜100mgを1週6日皮下注射した結果では,9週間では何等病的現象がなく,犬では150日間の投与に耐えるが,人体には重症肺結核症10例に1日30〜75mg/体重kg筋注・14〜182日連用した処,全例に蛋白尿が出て,2例に難聽,又は聽覚障害を来した.
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