Japanese
English
研究と報告
精神分裂病者の放浪について
Poriomania of Schizophrenic Patients
永田 俊彦
1
Toshihiko Nagata
1
1順天堂大学医学部精神医学教室
1Dept. of Psychiatry, Juntendo Univ. School of Medicine
キーワード:
Poriomania
,
Schizophrenia
,
Oligosymptom
Keyword:
Poriomania
,
Schizophrenia
,
Oligosymptom
pp.19-25
発行日 1982年1月15日
Published Date 1982/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203361
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抄録 放浪する分裂病者11例について報告した。彼らはいずれも寡症状で単純型分裂病者に類似する病像を示していた。放浪は他者との「関係性」を回避することに特徴づけられ,これによって急性期の人格解体が免れたり,頓挫されたりしたものと考えられる。このようにみると,単純型分裂病者は「ある状況」に関わらないという人間学的意味方向をたどり,放浪(ある場合には転職を含めて)を余儀なくされる分裂病者とも解される。このような観点から,分裂病の寡症状化に対する笠原の仮説に若干の検討を加えた。
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