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舌結核に就て
賀來 康寬
1
,
臼井 誠一
1
1昭和醫科大學耳鼻咽喉科教室
pp.30-33
発行日 1949年1月20日
Published Date 1949/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200125
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緒言
戰爭による急激なる世相生活の變化と共に戰後結核症の増加が究明され若壮年者のみならず比較的高年者にも其の發來を見るに至つた事は深く吾人の遺憾とするところであるが其の上氣道に於ける病變は依然として喉頭を第一位とし舌に於ける症例は極めて稀である.舌結核はPortal(1804)が始めて報告して以來Lous(1825)Fleming(1850)Bugenet(1858)Tulliard(1865)Delavan(1886)Wedenski(1895)Carmody(1915)Durante(1916)Marrow u. Miller(1924)Bass(1827)Todd(1927)Feldmann(1927)等1930年迄に400例の報告がある.
我國では明治18年河本の報告より本年に至る間32例の報告があるが竹澤(昭和7年)の15歳男子の舌結核腫以外其の大半は壯年者に見られ30歳以前の患者の報告は見當らない,余等は最近27歳の男子の舌結核に遭遇したので其の1例を報告する次第である.
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