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新生兒舌小帶の形態及び意義に就て
椎名 晴夫
1
1慶應義塾大學醫學部産婦人科教室
pp.9-16
発行日 1948年2月1日
Published Date 1948/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200103
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緒論
新生兒の哺乳力,哺乳量に關する知見は比較的豐富にして,文献も亦尠からず。舌に關する形態學的研究業績も豐富なるに,新生兒舌小帶の形態學的調査並に之が舌運動又は哺乳力に及ぼす影響に關する記載は極めて少數にして,余の調査せる範圍にては之に關する詳細なる研究は見當らず。僅かに外國に於けるJaschke及びReuss等の新生兒舌小帶に關する簡單なる記載と齒科口腔領域に於ける成人舌小帶異常,即ち所謂「癒着舌」(AnkylogIossia)に關するSicher等の記載,並に成人舌小帶異常の際に於ける障害及び處置に關する症例報告を散見するに止まり,吾國に於ては新生兒舌小帶に關する記載は見當らず。
斯くの如く新生兒に於ける舌小帶の形態學的並に臨牀的知見の比較的少數なるは,之が各科の境界領域にありて放置せられ,且新生兒哺乳が一般に醫師によりて觀察せらるゝ機會少きためならんと思はる。
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