論説
耳性化膿性腦膜炎の一治驗例—第一回報告
甲能 幸一
1
,
野村 俊五
1
,
細谷 省吾
2
,
野村 達次
2
1慶應義塾大學醫學部耳鼻咽喉科學教室
2傳染病研究所細谷研究室
pp.15-19
発行日 1948年4月1日
Published Date 1948/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200042
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1緒言
發病後9ケ月の初診にて,乳樣突起鑿開手術と中耳根治手術の2回に亙る手術をなし,遂に耳性化膿性腦膜炎を惹起し,殆ど絶望視せられたる症例に對し,36回の腰椎穿刺と總量20瓦を越ゆるスルフアミン劑大量療法及び30.150單位の(寺島株單位)の傳研ペニシリンを應用し,治癒に到つた一症例に就き報告せんとす。但し,ペニシリンの使用量は比較的少量なる故,この症例を以て直ちにペニシリンの效果を斷定し副作用を云々するは早計かと思はるる故,この症例に現れたる症状のみを述べ批判を仰がんとす。
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