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耳性化膿性腦膜炎の2治驗例
天岸 太郞
1
1東京慈惠會醫科大學耳鼻咽喉科學教室
pp.203-206
発行日 1949年5月20日
Published Date 1949/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200179
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緒言
近時耳性頭蓋内合併症,殊に化膿性腦膜炎及び靜脈竇血栓に關しては,各方面より鋭意研究せられ治癒率は向上の一途を辿りつつある状況にあり,吾が醫學界にとり誠によろこばしき事であるが,尚重篤なる疾患たるを免れず,危險視せらるるものである.而して此の疾患に耳鼻科醫の遭遇する機會は豫想外に多いものであるから,この疾患に對する知識は充分に〓へておく必要があると思う.自分は今度眞珠腫を有〓る左慢性化膿性中耳炎からS字状洞血栓性靜脈炎を起し,更に進展し化膿性腦膜炎を惹起したる症例と,右再發性乳嘴突起炎にて切開手術を施行後化膿性腦膜炎を起し,共に極めて危險なる經過をとつたが幸ひ全治せしめ得た2症例を經驗したのでここに發表する次第である.
Author reports two cases of recovery from otitic suppurative meningitis by the use of sulfa-mide in one case and by intraspinal injections of penicillin in the other.
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