論説
耳茸際去により頓坐的に治癒に赴ける亞急性中耳炎症例
兵 昇
1
1京都府立醫科大學耳鼻咽喉科教室
pp.19-21
発行日 1948年4月1日
Published Date 1948/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200043
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緒言
恩師中村登教授によれば(耳鼻實際P98)「慢性化膿性中耳炎は急性化膿症中耳炎より移行したものが大部分を占めてゐる。急性期に完全な治療を施し治療法にも充分なる注意を拂ふならば急性のものより慢性化膿性中耳炎に移行するものは極めて少數であると信じてゐる」と述べられてゐる。最近葡萄状球菌による急性中耳炎にして經過遷延して亞急性となり慢性中耳炎への移行を疑はしめたるものが耳茸除去により排膿多量となり頓坐的に治癒に赴いた症例を經驗し斯かる處置が急性中耳炎より慢性中耳炎への移行上意義あるものと思考し,此處に報告するものである。
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