Japanese
English
--------------------
遺伝性汎発性色素異常症の1例
A CASE OF DYSCHROMATOSIS UNIVERSALIS HEREDITARIA
小泉 雄一郎
1
,
林 利幸
1
Yuichiro KOIZUMI
1
,
Toshiyuki HAYASHI
1
1信州大学医学部皮膚科泌尿器科
1Dept. of Dermatology and Urology, School of Medicine, Shinsyu University
pp.301-304
発行日 1961年4月1日
Published Date 1961/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203028
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
特異的な色素異常症に関する本邦の報告には遠山,岡村,佐藤,野口,土肥(章),竹内,田代,駒屋,松本,伊藤,橋本(脩)等のものがあるが,古くは遠山が14歳の身体発育不良の男子の全身に白斑を混じた黒色斑の存在する例を報告した。しかし我々の症例にもつとも近い記載は昭和6年に森山の発表したもので,1家族3人に本症と思われる皮膚変化を観察し,先天性汎発性色素沈著症として論述している。昭和8年には市川・平賀が遺伝性対側性色素異常症の全身に汎発したを家族5人を経験し,これに文献的考察を加えて,新たに遺伝性汎発性色素異常症として命名し,Dys-chromatosis symmetrica hereditaria Toyamaと同一部門に置くことを提唱した。その後末永が5代の家系を,上尾は4代に亘る症例を,更に笹川,阿部,森部などによつて本症が報告されているが,我々も最近本症と思われる1例を経験したのでここに報告する。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.