Japanese
English
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環状肉芽腫について
GRANULOMA ANNULARE, REPORT OF THREE CASES
松下 正幸
1
,
増田 長雄
1
Masayuki MATSUSHITA
1
,
Nagao MASUDA
1
1日本医科大学皮膚科教室
1Dept. of Dermatology, Nippon Medical College
pp.292-298
発行日 1961年4月1日
Published Date 1961/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203027
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I.緒言
環状肉芽腫Granuloma annulareは1902年R. Crockerの命名による疾患で,1908年G. Littleが本症の49例を収集しての総括的記載に此の名称を用いてより一般に慣用されるに至つたものである。それ以前には,1895年C. FoxのRingederuptionなる名称による第1例以来Eruptioncircinée chronique(Dubreuilh, 1895),Lichenannularis(Galloway, 1899),Tumores benignisarcoidei cutis(Rasch u. Gregersen, 1903),Acanthoma annulare(Robert, 1908)その他多くの名称で報告されている。
本症は欧米に於ては比較的多数の報告があるが,我国では稀有な疾患で,1924年谷村によつてはじめて紹介され,1931年百瀬が本邦に於ける第1例を報告して以来,自験例を加え僅かに36例を数えるにすぎない。我々は最近定型的な環状皮疹の附近に組織学的に結核肉芽腫の像に一致する皮下結節を伴つた本症の興味ある1例を経験し,その経過を観察し得たので,先に日本皮膚科学会第21回東部連合地方会に於て発表した2例の詳細とともに報告し,あわせて本邦全症例について綜合的考察を加える次第である。
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