Japanese
English
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虫体を別出し得た皮膚顎口虫症の1例
A CASE OF GNATHOSTOMIASIS
吉田 良夫
1
,
長山 賢
1
Yoshio YOSHIDA
1
,
Ken NAGAYAMA
1
1東北大学医学部皮膚科教室
1Dept. of Dermatology, School of Medicine Tohoku Univ.
pp.305-308
発行日 1961年4月1日
Published Date 1961/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203029
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I.緒言
所謂長江浮腫が有棘顎口虫の寄生する雷魚等の生食によつて生ずる皮膚顎口虫症なることは,駒屋・北村・小宮1)の研究で明らかとなつた。その後北村は笹川と共著の皮膚科全書,動物性皮膚疾患篇2)において,本症に関し殆んど余す所なく詳述した。それによれば本症の患部皮膚組織内に虫体を証明した報告は,川井3)の内地性例の1例を加えて5例に止るという。最近,昭和33年9月の東京地方会で笹川4)は昭和14年九江で感染し昭和33年7月仔虫を証明した1例を追加し,これに対し北村は感染発病後20年にして虫体の発見されたことは,虫体が人体内に20年も生存寄生することを意味して甚だ興味があると述べている。われわれは最近笹川と類似の症例を経験し,患部皮膚組織内に虫体を証明したのでここに報告する。
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