Japanese
English
--------------------
同胞3名に発生せる遺伝性対側性掌蹠紅斑の1例
A CASE OF ERYTHEMA PALMO-PLANTARE SYMMETRICUM HEREDITARIUM WITH THREE PERSONS, BROTHERS AND SISTERS
井手 次郎
1
Jiro Ide
1
1日本赤十字社中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, Japanese Red Cross Central Hospital
pp.129-130
発行日 1957年2月1日
Published Date 1957/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201890
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
緒言
本症は対側性に掌蹠にのみ紅斑の発生する遺伝的疾患で,1929年LaneによつてErythema palmo-plantare symmetricum heredilariumとして始めて報告された。その後Meirowsky(1933),Kerl(1936),Schmidt La Baume(1939)等によつて報告されているがその数は甚だ少い。本症は別名red palmとも云われ最近我国に於ても漸く関心を持たれて来たものである。乃ち昭和18年に重松が始めてこの1例を報告し,昭和24年に原田,昭和28年に高石及び黄等が各々その1例を報告したのみで現在迄その報告例は僅かに4例に過ぎない。
私は最近日本赤十字社中央病院に於て同胞5名中3名に本症と思われる1例を経験し,之が直系5代に及ぶ家系を検索して推察するに,従来本症は優性又は不規則優性遺伝を示すと云われているが,茲に重複せる血族結婚が証明され,劣性遺伝の場合も有り得ると思われる本症の1例を経験したので,茲に報告する次第である。
Copyright © 1957, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.