特集 循環器診療 薬のギモン—エキスパートに学ぶ薬物治療のテクニック
Ⅱ.高血圧診療でのギモン
腎機能障害の高血圧.どこまでACE阻害薬・ARBは使えるのか?
長澤 康行
1
1兵庫医科大学内科学腎・透析科
pp.66-70
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200117
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Point
・ACE阻害薬・ARB投与による腎予後の改善は,輸出細動脈拡張により糸球体内圧を下げ,糸球体過剰濾過を改善することによると考えられている.
・ACE阻害薬・ARB投与開始初期(概ね3カ月以内)の30%以内のクレアチニンの上昇は,むしろその後の腎予後の改善を示しており,継続投与すべきである.また,同様の現象は,心保護作用にも報告されている.
・ACE阻害薬・ARB投与開始初期(概ね3カ月以内)の30%以上のクレアチニンの上昇は,腎動脈狭窄などを念頭に置き,いったん中止後精査が必要である.
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