Japanese
English
特集 糖尿病診療の神話と事実―日常診療のなかの不確実性
神話と事実
糖尿病腎症患者の高血圧にはACE阻害薬やARBが第一選択薬である
ACE inhibitor or ARB is first line drug for hypertensive patients with diabetic renal disease.
羽野 卓三
1
1和歌山県立医科大学循環器内科
キーワード:
アンジオテンシン
,
カルシウムチャネル
,
糖尿病腎症
,
高血圧
Keyword:
アンジオテンシン
,
カルシウムチャネル
,
糖尿病腎症
,
高血圧
pp.773-777
発行日 2005年9月15日
Published Date 2005/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100029
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Case アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬のみでは十分な血圧下降を示さず,カルシウム拮抗薬の併用が必要であった糖尿病を伴う若年高血圧患者
35歳の男性.身長168 cm,体重82 kg,肥満指数(BMI 29.1).28歳より糖尿病を指摘されていたが放置,外来受診時にはHbA1C 8.2%,蛋白尿(3+)を認めた.血圧は168/96 mmHgであり,眼底H2 S2であった.心電図上SV1+RV5=4.0 mVの高電位差を示した.糖尿病は経口糖尿病薬で治療を開始した.血圧はテルミサルタン40 mgより開始し,最大投与量の80 mgまで増量した.蛋白尿は(2+)まで改善し,血圧は152/90 mmHgと低下したが,日本高血圧学会のガイドラインに示される130/80 mmHgには達しなかった.そこで,カルシウム拮抗薬であるアゼルニジピン8 mgを投与した.その後,血圧は132/82 mmHgとガイドラインに近い値まで低下した.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.