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特集 ACE阻害薬を見直す
ARBはACE阻害薬の代替薬ではない
ARB is not an Alternative Drug to ACE Inhibitior
吉村 道博
1
Michihiro Yoshimura
1
1熊本大学大学院医学薬学研究部循環器病態学
1Department of Cardiovascular Medicine, Graduate School of Medical Sciences, Kumamoto Uuiversity
pp.339-345
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100183
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はじめに
ARBの使用頻度が近年急激な勢いで伸びており,高血圧治療におけるその有用性は広く認められている.一方,ACE阻害薬は,かつてはRAA系抑制薬の中心であったが,その使用頻度は近年若干低下していることは否めない.しかしながら,ACE阻害薬の有用性を強く認識している臨床家が少なからず存在することも事実である.降圧作用においては,ACE阻害薬はARBには及ばないが,それにもかかわらず確固たる地位を占めるACE阻害薬の秘密とは何であろうか.それを明らかにする試みは,単に両薬剤の違いを見直すのみならず,高血圧,心不全,腎不全において“RAA系やブラジキニン系の病態生理への微妙な関与の違い”を理解する手掛かりになると思われる.まさにこの議論はより優れた治療法を模索することに資する.
本稿では,ARBとACE阻害薬の両者の違いをいくつかの側面から検討する.
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