Japanese
English
解剖を中心とした脳神経手術手技
不随意運動症の病態と定位脳手術
Stereotactic Neurosurgery for Movement Disorders
富田 享
1
,
大本 尭史
1
Susumu TOMITA
1
,
Takashi OHMOTO
1
1岡山大学脳神経外科
1Department of Neurological Surgery, Okayama University Medical School
キーワード:
thalamotomy
,
pallidotomy
,
movement disorder
,
Parkinson's disease
,
stereotactic surgery
,
basal ganglia
Keyword:
thalamotomy
,
pallidotomy
,
movement disorder
,
Parkinson's disease
,
stereotactic surgery
,
basal ganglia
pp.107-125
発行日 2000年2月10日
Published Date 2000/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436901844
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I.はじめに
定位脳手術が適応となる不随意運動症は,大脳基底核および視床において錐体外路系神経回路網のどこかに異常を来たし,その結果として惹起された“hyperkinetic state”(振戦,固縮,バリズム,ジストニア,ヒヨレア等)であり,final commonpathwayとしての視床に対する破壊術が治療の中心であった.ところが,Laitinenの報告37)以来,脱抑制という概念で“hypokinetic state”(パーキンソン病の無動,姿勢保持障害等)にも適応が広がり,淡蒼球内節,視床下核が注目されるようになった.これらの手術の理論的背景として,De-Longら12)の大脳基底核を中心とする錐体外路系神経回路網の仮説(Fig.1)は,疾患の病態を理解する上で極めて有用である.本稿においては,主に不随意運動症に関連した大脳基底核の線維連絡を中心に定位脳手術について概説する.
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