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特集 神経疾患と分子遺伝学
分子遺伝学的方法論—その考え方と医学への応用
Molecular genetic methodology: Concept and medical application.
村松 正實
1
Masami MURAMATSU
1
1東京大学医学部第一生化学教室
1Department of Biochemistry I, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.535-542
発行日 1989年8月10日
Published Date 1989/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431906307
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I.はじめに
神経疾患の多くが遺伝的背景をもつことは古くから知られており,中にははっきりしたメンデル型の遺伝様式を示すものも数多く存在する1)。これは各種神経機能がそれぞれの遺伝子の支配下にあることを示すものである。
比較的最近に至るまで,大部分の神経.精神疾患へのアプローチは,その臨床像の神経学的解析(精神疾患の場合は,精神病理学的および心理学的解析を含む)ならびに病理学的検索,および遺伝学的解析に限られていた。したがってその病態ないしは病変も,その起こる由来に関しては何もわからず,ただ機能障害ないしは変性とのみ記載される場合が大部分であった。
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