Japanese
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特集 運動分析
歩行分析の臨床的応用について―方法論とその実際
Clinical Application of Gait Analysis: A Method and Practice.
窪田 俊夫
1
,
宮崎 信次
2
Toshio Kubota
1
,
Shingi Miyazaki
2
1中伊豆リハビリテーションセンター
2東京医科歯科大学医用器材研究所
1Nakaizu Rehabilitation Center.
2Institute for Medical and Dental Engineering, Tokyo Medical and Dental University.
キーワード:
方法論
,
システム設計
Keyword:
方法論
,
システム設計
pp.181-191
発行日 1979年3月10日
Published Date 1979/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104121
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はじめに
障害者のリハビリテーションにおいて,歩行機能の回復を計ることは,もっとも重要な課題といっても過言ではなく,近年開発されている歩行分析の手法を,障害者の歩行能力の評価と治療に応用することに大きな期待が持たれている.しかし,現状は鈴木1)の指摘しているごとく,臨床応用として実際の治療にどのくらい役に立つか否かについて,なお道遠しの感がないでもない.まずは障害者を対象に歩行分析を行って見れば,何か治療の手がかりになるデーターが得られるかも知れないという発想では,単なるデーターの分析の記述に終わってしまうことが多く,役に立つ結論が出てくることは少ないと思われる.このことは,医学側の一員として過去の苦い体験をこめた反省でもある.
土屋2)は分析の逆過程であり歩行の設計という総合(Synthesis)の道をたどらないと,少なくともリハビリテーションに有効な手段となり得ないと述べている.歩行の設計を行うためには,なお基礎的な研究が必要と思われ,その研究は一定の手順(方法論)に従って行われることが望ましい.以下,臨床応用のために行った基礎的実験を加え,方法論について若干の知見を述べてみたい.
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