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特集 てんかん研究の現況
小児てんかんの病理—とくにWest症候群を中心として
Neuropathological studies of West syndrome
森松 義雄
1
,
佐藤 順一
1
Yoshio Morimatsu
1
,
Junichi Sato
1
1東京都神経科学総合研究所臨床神経病理学研究室
1Department of Clinical Neuropathology, Tokyo Metropolitan Institute for Neurosciences
pp.636-645
発行日 1983年8月10日
Published Date 1983/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431905524
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I.はじめに
てんかんは一般に特発性てんかん(idiopathic epilepsy)と症候性てんかん(symptomatic epilepsy)に分けられる。熱性けいれんはともかく,小児てんかん,成人てんかん,老人てんかんという言い方は一般的ではない。残遺てんかん(residual epilepsy)という概念はあるが,現在あまり使われない。てんかんはつい最近まで,分裂病,躁うつ病と並んで主として精神科で取り扱われてきた。このさい,問題となったのは真性てんかん(genuime Epilepsie)である。
てんかんの病理として知られているものに,アンモン角硬化,辺縁硬化,葉性硬化,小脳小葉萎縮などがある。そのほか,視床,下オリーブ核の変化なども問題とされる。これらの変化は,てんかんそのものの原因というよりは痙攣損傷に基づく変化であるという議論が有力である。
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