諸外国の看護活動
West Germany—古さのなかにもよさ
小沢 清子
pp.371-375
発行日 1968年10月25日
Published Date 1968/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200081
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はじめに
ともすれば,対象としての人間が見失われ,疾病そのものだけが対象となりがちの現代医学に,失われた人間性をとりもどそうと,日本でも"患者に目を向けよう!","患者中心の看護を"と叫ばれているように,"科学的裏づけのある看護"とは,まず,"人間を対象としての看護"が前提でなければならないと思う。
ドイツの看護は,人間(患者)を中心とした看護である。しかし,"科学的な理論に基づいた看護を!"と学んできた私には,少なくとも渡独当初は,その点に両国の差を感ぜずにはいられなかった。日本の看護学と比較してドイツの看護学は遅れているといわれる。しかし,2年間にわたるドイツの看護婦生活を経ているうちに,私は,"古さのなかのよさ"をもじゅうぶん経験したということができる。
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