重症心身障害の病理—とくに視床病変を中心として

Pathological studies of severe physically and mentally handicapped: With special reference to pathological changes of thalamus

　1）重症心身障害の剖検14例について，とくに視床病変を中心に検索，検討した。

　2）視床はperinatalおよびpostnatalでも発達初期では種々の侵襲で非常に重篤な変化を受けやすい。

　3）視床でも内側核（dorsomedial nucl.）と外側核のdorsalから中央部（PLとPLV）が最も頻繁に障害される。

　4）大脳広汎にわたる重症例で，視床も同様かなり広汎に障害されるが，それでもdorsalが顕著でventralは比較的軽い。

　5）視床病変の成因について考察を加えた。また，臨床との関係についても，不随意運動および精神発達遅滞と視床との関連について若干の考察，推論を試みた。