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はじめに
1971年以来,多くの研究者により脳組織内には麻薬性鎮痛薬のレセプターが存在することが明らかにされ,このレセプターに結合する内在性モルヒネ様ペプチド(オピオイドペプチド)として,1975年Hughesらにより2種類のエンケファリンが発見された。これをきっかけにして,そのレセプターに結合する生体自身が作り出すオピオイドペプチドが下垂体,線条体,視床下部,副腎髄質,腸管などで次々と発見され構造決定がなされてきた。これらの一群のオピオイドペプチドの存在は,その生理的意義解明に向けて,生合成機構,貯蔵,分泌,代謝の各レベルの研究に大きな拍車をかけ,これまでに分子レベルを含む基礎医化学,薬学,生理学また病態との関連を含んだ内分泌学分野にまたがって膨大な研究がなされてきた。組織から単離されたオピオイドペプチドは構造的に三つのグループに分類されて整理されてきたが,最近,遺伝子工学的手法により構造決定された3種類のオピオイドペプチド前駆体タンパク質中にそれらは含まれており,その生合成的起源がすべて明らかになった。
Abstract
Since 1975, when Hughes et al. isolated Met-and Leu-enkephalins from pig brain, which are endogeneous ligands for opioid receptors, many endogeneous opioid peptides have been identified in brain and other tissues. Recently, using cloned cDNA, Numa group has determined the sequences of three different precursors which contain all the different opioid peptides known so far.
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