特集 ホルモンと生理活性物質
各論
2.下垂体前葉ホルモン系
3)βエンドルフィン
加藤 讓
1
Yuzuru KATO
1
1島根医科大学第1内科
pp.82-84
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902179
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生合成・分泌・機能
1.生合成
βエンドルフィン(β-endorphin)は31個のアミノ酸から成るペプチドである.図1に示すように,副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)と共通の前駆体(proopio-melanocortin; POMC)から生成されるβリポトロンピン(β-LPH)のC端部分(β-LPH61-69)に由来する.
ヒトでは主として下垂体前葉から産生され血中に分泌される.下垂体以外にも視床下部を中心とした中枢神経系,交感神経節,副腎髄質,消化管,膵臓,甲状腺,卵巣,胎盤など多くの組織において産生される.このほか,異所性ACTH産生腫瘍においてもβエンドルフィンの同時産生がみられる.
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