Japanese
English
解説
エンケファリンおよび関連ペプチド(エンドルフィン類)の中枢作用
Central actions of enkephalin and related peptides (endorphins)
高木 博司
1
,
佐藤 公道
1
Hiroshi Takagi
1
,
Masamichi Satoh
1
1京都大学薬学部薬理学教室
pp.204-214
発行日 1977年6月15日
Published Date 1977/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903188
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はじめに
エンケファリン(enkephalin)は脳組織から抽出精製されたmorphine様活性をもつペプチドのうち,Hughesら1)によって最初に化学構造が決定されたペンタペプチドの呼び名で,ギリシャ語で「頭の中に」という意味で命名されたものである。この化学構造決定の報告がNature誌に掲載されたのは1975年12月であるが,それ以来enkephalin関連ペプチドがいくつか報告され,それらを一括してエンドルフィン類(endorphins)と総称されるに至った2)。endorphinsに関する報告は最近続々と出ており,研究が急速に展開しつつあるが,その生理学的・薬理学的性質の検索はまだ十分ではなく,生体内での役割も明確ではないが,重要な働きをもつ物質と思われる知見が集まりつつある。本稿では中枢作用を中心にenkephalinsを中心とするendorphinsについて現在までの知見をまとめてみたい。
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