特集 産痛の解明とケア
β-エンドルフィン
田中 裕之
1
1広島大学医学部麻酔・蘇生学教室
pp.731-734
発行日 1997年9月25日
Published Date 1997/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901772
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はじめに
「産みの苦しみ」という言葉が示すように,産痛は人類が感じる痛みの中でも最も強い部類に属すると思われる。古くからこの痛みを緩和しようと様々な試みがなされてきた。しかし,痛みは主観的な要素が強くその評価は難しく,動物モデルを用いた研究にも限界がある。
近年,神経生理学的に痛みのメカニズムが解明されつつある。その中で本来人間に備わっていると考えられている内因性鎮痛機序の主役をなすものとしてβ-エンドルフィンが注目されるようになった。
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