Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
近年,比較的分子量の小さい生物活性ペプチドが中枢および末梢神経,消化管,膵などにわたって広く分布していることが知られるとともに,また,同一の物質がその存在する場所によって生物学的機能または意義を異にする点が指摘されている。これらのうちのあるものは従来から視床下部性のreleasing hormoneとして知られていたペプチドが神経系の広い部分に分布していることが明らかになったものである。そして,CCKZ,ACTH,インシュリン,グルカゴン様の免疫活性を示す物質が脳内に存在することが認められている。しかしこれらの物質が神経伝達物質として存在するのか,または単なるneuromodulatorとして従来から知られたconventionalneurotransmitterに対して調節的役割を演じているのにすぎないのか,さらにこれらいわゆる神経ペプチド相互の機能的関連および神経ペプチドとモノアミン,アセチルコリン,GABAその他の伝達物質と神経ペプチドの間の関係はどのようであるかということが論議の対象となっている。
これらの物質を脳内で同定する第一段階として,中枢神経の各部分についてラジオイムノアッセイによって測定がなされたことは当然である。しかしこれらの物質を機能との関連において論ずるためには,形態の立場から光学顕微鏡的にその脳内局在を確かめるとともに,電子顕微鏡によって細胞内における存在様式を観察することが大切である。
In these days, it has been disclosed that various biologically active oligopeptides are distributed not only in the nervous system but also in the gastrointestinal tract and the pancreas. These brain-gut peptides have different biological functions depending on their locations. For instance, CCKZ-, ACTH-, insulin- and glucagon-like immunoreactivities were confirmed within the brain.
Under these situations, methods of morphological identification of peptidergic neurons, immunohistochemical techniques, have become one of the most important tools of neuroscientific investigations.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.