Japanese
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特集 最近注目の神経ペプチド
ペプチドニューロンの形態
Morphological aspects of the peptide neurons.
佐野 豊
1
,
渡辺 憲二
1
,
河田 光博
1
Yutaka Sano
1
,
Kenji Watanabe
1
,
Mitsuhiro Kawata
1
1京都府立医科大学解剖学教室
1Department of Anatomy,Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.469-487
発行日 1980年5月1日
Published Date 1980/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204581
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神経系組織におけるペプチドの形態学的研究は,いくつかの段階を経て進歩してきた。その第1の過程は,視床下部・後葉系を形成するvasopressinとoxytocin産生ニューロンの研究で,1928年E.Scharrerの業績を端緒として継続されているものであり,もっとも長い歴史をもつている。第2の過程は,視床下部の放出ホルモンreleasing hormones (正しくは調節ホルモンregulatinghormone)に関する研究で1948年Harrisによつて提出された仮説に基づいて開始され,1969年のSchallyとGilleminらによるTRHの抽出以来活発となつた研究領域である。
ペプチドニューロンの研究が以上の2つの過程に限定されていた間は,下垂体とその機能調節に関与する特殊な,視床下部の一定の領域hypophysiotropic areaに限局して分布する神経細胞の研究として内分泌学,とくに神経内分泌学的には重要視されてはいたが,それが神経系全体の機能解明に深くつながりをもつた研究課題としては,神経研究者の間に十分理解されていなかつた。
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