Japanese
English
特集 最近注目の神経ペプチド
神経伝達物質としてのNeuropeptide
Neuropeptides as neurotransmitter.
鬼頭 昭三
1
,
糸賀 叡子
1
,
岸田 健伸
1
Shozo Kito
1
,
Eiko Itoga
1
,
Takenobu Kishida
1
1広島大学医学部第三内科
1The 3rd Department of Internal Medicine, Hiroshima University, School of Medicine
pp.453-468
発行日 1980年5月1日
Published Date 1980/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204580
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緒言
近年,視床下部においてreleasing hormoneとして下垂体ホルモンの分泌調節を行つているペプチド,従来から消化管ホルモンとしてよく知られているペプチドなどが,広い範囲の脊髄を含む中枢神経系,末梢神経系,膵,消化管にわたつて存在し,また同じ構造をもつたペプチドがその存在部位によつて機能的意義を異にすることが知られてきた。最近,Rothらによつて指摘されている脳内のインシュリン様物質のごときもその一例であり,脳内には多種類のものが存在し,その一般的分布様式として視床下部,辺縁系,大脳基底核,脳幹部,大脳皮質,脊髄などにいろいろな程度に存在し,小脳には少ないことが特徴である。このような生理活性ペプチドの大部分は神経伝達物質として存在するか,単なるneuro—modulatorとして存在するかについては結論の出されていないものが多い。最近はneurohormoneということばも使われているようである。現状では,神経ペプチドとは神経系に分布し,神経伝達物質またはneuromodu—latorとして働いていることが推定されるオリゴペプタイドを広く指した概念と考えられる。
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