特集 神経学における最近の研究
<臨床>
先天性アミノ酸代謝異常—N5,10メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素欠損に基づくホモシスチン尿症
成沢 邦明
1
,
多田 啓也
1
1東北大学医学部小児科教室
pp.837-839
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904954
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1950年頃よりペーパークロマトグラフィー,薄層クロマトグラフィー,アミノ酸自動分析計などの技術が臨床面に導入され,主として尿,血液のスクリーニングの結果,数多くのアミノ酸代謝異常症が発見された1)。代謝異常の病態が明らかになるにつれ,フェニールケトン尿症(PKU)のように有効な治療法が見出され,新生児マス・スクリーニングによるこれら疾患の早期発見が推進されるに至った。わが国においても昨年10月より,心身障害予防の一環としてPKU,ガラクトース血症,楓糖尿症,ホモシスチン尿症,ヒスチジン血症を対象として行政レベルで新生児マス・スクリーニングが実施されつつある。
一方,スクリーニングが普及するにつれて,従来一つの疾患と考えられていた疾患の中にも種々の亜型が存在することが指摘されている。最近,患者由来の皮膚培養細胞を疾患モデルとしてその病態代謝を追求する研究が盛んになり,さらに精緻な病態が明らかにされつつある。
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.