Japanese
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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅱ.先天代謝異常
3.ホモシスチン尿症
homocystinuria
和田 陽一
1
,
大浦 敏博
2
WADA Yoichi
1
,
OHURA Toshihiro
2
1東北大学大学院 小児病態学分野
2仙台市立病院 臨床検査科
pp.49-55
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000517
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はじめに
ホモシスチン尿症は,メチオニンの代謝産物であるホモシステインが体内に蓄積することによって発症するアミノ酸代謝異常症である。本稿ではホモシステインが上昇する代表的疾患である,①シスタチオニンβ合成酵素(cystathionine-β-synthase:CBS)欠損による古典型ホモシスチン尿症,②細胞内コバラミン(ビタミンB12,Cbl)代謝異常症,③5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(methylenetetrahydrofolate reductase:MTHFR)欠損症について解説する。古典型ホモシスチン尿症は高メチオニン血症を指標として新生児マススクリーニング(newborn screening:NBS)が行われているが,ほかの2疾患は高メチオニン血症を呈さないため,現行のNBSでは発見できない。ただしコバラミン代謝異常症でメチルマロン酸血症を伴う病型では,プロピオニルカルニチンが陽性となり,NBSが診断の契機となることがある。
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