特集 第7回神経病理学会
一般演題〔1〕〜〔102〕抄録・討論
〔7〕〜〔8〕神経・筋疾患
〔7〕Hereditary Radicular Neuropathyの病理所見について/〔8〕"豚のNeurogene Dermatopathie"に関する病理組織学的研究
山極 三郎
1
,
松本 英世
2
1帯広畜産大
2熊本大病理
pp.762-763
発行日 1966年12月25日
Published Date 1966/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904373
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Hereditary radicular neuropathyは神経疾患のうちでも筋萎縮,皮膚潰瘍などを形成する特異な遣伝性神経疾患であるが,辺縁疾患もあり病理学的にも不明な点が多い。臨床的に本疾患と診断された1例を剖検する機会を得たので主としてその病理所見について報告する。
症例は37歳女,家族歴として同胞7人中本例を含めて4人。父親に同様な疾患があり,さらに同一家系4代中に18人の類似神経疾患のあることが証明されている。なお本例の弟は臨床的にCharcot-Marie-Tooth病と診断されている。患者は32歳ころより下肢異常知覚,疼痛を訴え,筋萎縮に気づく。34歳時下腿皮膚に潰瘍を形成したが3カ月で治癒した。35歳になり歩行困難を訴え,死亡1年前には起立不能となり5年の経過で死亡した。神経学的には顔面筋舌萎縮,四肢筋萎縮,腱反射減弱,四肢遠位部表在知覚脱失などがみられた。
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