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特集 第5回神経化学懇話会
一般演題
5.頭部外傷の生化学
Endogenous uncoupling factor
荒木 千里
1
,
石井 昌三
1
,
早石 修
2
,
久野 滋
2
,
小沢 和恵
2
,
辻 宏
2
Chisato Araki
1
,
Osamu Hayaishi
2
1京都大学医学部第一外科教室
2京都大学医学部医化学教室
1Dept. of Surg, Faculty of Medicine The Univ. of Kyoto
pp.820-825
発行日 1963年8月25日
Published Date 1963/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904071
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われわれは,ここ数年来脳浮腫の発生機序を究明せんとして,種々の生化学的検索を続けてきた。詳述は略するが,脳外傷を与えたのち(硬膜外脳圧迫)動物の意識障害の程度と略々平行して燐脂質が消長する事実を見出し,さらに燐脂質の生合成の前駆物質であるCDP-cholineなどのcytidine nucleotidesを脳外傷動物に,投与することによつて,臨床症状,脳波所見の改善をもたらす事を発見した1)。また上述の脳外傷動物で臨床症状脳波所見の悪い時期,すなわち燐脂質が強く低下している時期の脳のミトコンドリアについて,検索した結果,ミトコンドリアの酸素吸収またATP生成能が,共に低下している事実を認めた。そこで今回は,脳のミトコンドリアの機能に問題の焦点をおき,特にその形態学的変化,酸化的燐酸化(oxldative phosphorylation)および燐脂質(phospholipid)の生合成の関連を追求した。
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