Japanese
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特集 脊髄血管障害
脊髄血管奇形とその外科治療
Vascular malformation of the spinal cord and its surgical treatment
斎藤 勇
1,2
Isamu SAITO
1,2
1東京大学医学部脳神経外科教室
2三井記念病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Faculty of Medicine, University of Tokyo
2Department of Neurosurgery, Mitsui Memorial Hospital
pp.536-548
発行日 1974年6月10日
Published Date 1974/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903636
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突然性の背痛に続いて脊髄の半截ないし横断症候を呈したり,あるいは,進行性に脊髄の症候を来たす疾患の中に,脊髄に発生した血管腫(angioma of the spinal cord)に起因する例が少なくないことが最近注目されている。従来,臨床的に,spinal apoplexy,anterior spinal artery syndromeあるいはFoix-Alajouanineのsubacute necrotic myelitisと診断された疾患の中には,この脊髄血管腫による二次的変化の結果である場合があり,本体はこの血管腫からの出血や血流障害(steal syndrome)の結果であるとする報告も少なくない7,54)。とくに,Foix-Alajouanine病は,彼ら自身の報告の中で,病理学的変化として脊髄の異常血管の存在を指摘しているほどである21)。Yasargil(1971)68)によれば,脊髄腫瘍961例中43例(4.35%)の頻度であり,脳腫瘍4,200例のうち脳動静脈奇形が186例(4.43%)で,中枢神経系の血管奇形の発生頻度がほぼ同じといい,決してまれなものではない。
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