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特集 第8回「脳のシンポジウム」
主題:神経病における疫学的研究
多発性硬化症の潜伏期—本症は何歳に獲得されるか
Incubation time of multiple sclerosis: When the disease is acquired?
近藤 喜代太郎
1
Kiyotaro KONDO
1
1新潟大学脳研究所神経内科
1Dept. of Neurology, Brain Research Institute, Niigata University
pp.34-40
発行日 1973年2月10日
Published Date 1973/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903469
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Ⅰ.緒言
多発性硬化症の病因の解明にはなお相当の距離がある。本研究の目的は遺伝理論によって発病年齢を分析し,本症の病因の作用した時点を求め,病因の発見を促すことである。
Neel-Schullは原爆被爆集団で放射線の遺伝的影響を疫学的方法で分析し,そのような研究を遺伝疫学とよんだといわれる。遺伝疫学は医学に応用された集団遺伝学ともいえよう。その対象には遺伝性疾患のほかに外因に対する遺伝的感受性がふくまれる。後者は単因子遺伝子に支配されることもあるが,多くの場合,多因子性である。本研究はこの最後の場合に関連があるが,限られた紙数で方法論の理論的背景までは詳説できないのが遺憾である。
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