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特集 第32回脳のシンポジウム
コンピュータと脳の接点
人工頭脳による運動制御システム(抄録)
Motor control system by computational brain
川人 光男
1
Mitsuo KAWATO
1
1(株)エイ・ティ・アール人間情報通信研究所
1ATR Human Information Processing Research Laboratories
キーワード:
計算理論
,
部モデル
,
ロボティクス
Keyword:
計算理論
,
部モデル
,
ロボティクス
pp.855-856
発行日 1997年12月10日
Published Date 1997/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901002
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- Abstract 文献概要
われわれは,所外の研究者とも共同して,視覚運動統合に関し,内部モデルの学習,運動軌道の計画,双方向性計算理論という三つの大きなテーマについて様々な研究を行ってきた。本講演では,この中でもとくに運動制御の内部モデルの学習についての紹介を行った。紙数の制限から,研究や概念について詳細を述べることができないので,詳細は演者の最近の著作『脳の計算理論』(川人,1996)を参照されたい。
われわれの研究成果の一つに,脳内に外界の内部モデルが存在しなければならないことを,理論的,実験的に示してきたことがある。とくに,運動の制御には,軌道計画,座標変換,運動指令生成の三つの問題を解く必要があるのだが,これらの問題はすべて,解が一意に定まらないという意味で,不良設定の問題であり,それを解くためには何らかの最適化原理が必要となる。最適化によって解を求める計算を行うためには,内部モデルが必要となるのである。これが,外界のモデルが脳内に学習で獲得され,利用されていなければならないということの理論的,原理的な理由である。
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